障害年金の保険料の納付要件 (納付記録 記号の見方)

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障害年金を受給するためには、納付要件(一定期間、年金保険料を保険料を納めていないと受給できないという条件)を満たす必要があります。

もし納付要件を満たしていない場合、障害年金はもらえません。

年金を請求する上で、納付要件をクリアしているかいないかは非常に重要なポイントになります。

このコラムでは納付要件について解説します。

 

1.ふたつの納付要件

障害年金を請求するためには、初診日(病気やケガのために初めて病院に行った日)の前日時点で、

以下の二つの納付要件のいずれかを満たす必要があります。

  • 「2/3要件」
    初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること(原則)

  • 「直近1年要件」
    初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと(初診日が令和8年4月1日前の特例) 

病院にかかる前日の年金記録を見て、1/3以上未納がなければ納付要件はクリアです。

当分の間は直近1年要件の特例が続くと思われますので、仮に1/3以上未納があったとしても、直近の1年間に未納がなければ、納付要件はクリアしたことになります。

 

2.特殊な納付要件

初診日時点の年齢によっては、特殊な納付要件の計算をします。

初診日が20歳未満の場合国民年金にそもそも加入していないので、納付要件自体がありません。
初診日が60歳~65歳未満の場合60歳以降は年金制度から抜けている人も多くなります。
納付要件を計算する場合は、空白期間を抜いて直前の加入期 間までさかのぼって納付要件の計算をする必要があります。
初診日が65歳以上の場合直近1年要件が使えませんので、必ず2/3要件を満たす必要があります。

※なお、初診日が65歳以降の場合、年金が請求できるのは初診日に厚生年金に加入している場合に限られます。

その場合、厚生年金のみで基礎年金がついてこない形の特殊な請求になります。

 

3.納付要件を確認する際のポイント

請求代行を受ける場合は、納付要件の確認は社労士が代理で行います。

ご自身で請求する場合でも、年金事務所に初診日を伝えて確認してもらうことができます。

ただ、人によっては「自分で年金記録を取って確認したい」ということもあるかと思います。

以下は、自分で納付要件を確認する際の注意点をまとめます。 

 

3-1.初診日の前日時点の記録を見る

納付要件を見るのは、あくまで「初診日の前日の状態」であるということです。

例えば交通事故で令和4年5月3日に病院に運ばれた場合、納付要件の計算は令和4年5月2日時点の記録を参照して行われます。

もし年金を直近2年分払っていても、その払った日が例えば令和4年5月10日だったとしたら、納付要件の計算では「未納」として扱われます。

最新の年金記録では「納付」「免除」となっているけど、その納付・免除手続きが初診日より後だったため、納付要件の計算では未納扱いになるというのはよくあるケースです。

納付や一部免除の場合は「いつ納付したか」、免除の場合は「いつ免除申請をしたか」という日付も含めて年金記録を確認する必要があります。

 

3-2.初診日の前々月から記録を見る

納付要件の計算は、初診日の月の前々月からさかのぼって行います。

初診が令和4年の5月1日だとすると、参照されるのは令和4年3月分以前の記録です。

(年金は原則として翌月末払いなので、「前月分(4月分)はまだ納付されていない」という前提で計算を行います)

上の事故のケースで実際に納付要件を見ていくと、令和4年5月2日時点で、令和3年4月分~令和4年3月分に未納がなければ、納付要件クリアということになります。

もし未納があった場合、今度は令和4年3月以前のすべての被保険者期間をさかのぼって、未納が1/3以下であれば納付要件はクリアとなります。

そこで1/3以上未納があった場合、二つの納付要件のどちらも満たしていないことになりますので、請求は出来ません。

 

3-3.納付状況の記号について

年金記録は、月ごとに納付状況を記号で表しています。以下は主なものです。

実際の記録では、*(未納)・A(納付済)・P(前納)・Z(申請全額免除)・+(第三号)・/(未加入期間)などが多く見られます。

この中で注意が必要なのは/(未加入期間 または 厚生年金・共済組合に加入していた期間)です。

この未加入は「国民年金に加入していない」という意味ですが、厚生年金や共済組合に加入している期間も、手続きを怠っていて未加入だった期間もすべて/で記載されてます。

したがって、厚生年金の加入記録と照会しながらチェックを行う必要があります。

 

4.まとめ

どんなに障害状態が重くても、納付要件をクリアしていなければ請求は門前払いされてしまいます。

障害年金の請求を考えている方は、一番最初にまず納付要件をしっかり確認することをお勧めいたします。

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